- ちえ
- I
ちえ【千枝】たくさんに枝分かれした枝。II
「楠の木は…~にわかれて/枕草子 40」
ちえ【千重】数多く重なっていること。III「名ぐはしき印南の海の沖つ波~に隠りぬ大和島根は/万葉 303」
ちえ【知恵・智慧・智恵】(1)〔仏〕 空など仏教の真理に即して, 正しく物事を認識し判断する能力。 これによって執着や愛憎などの煩悩(ボンノウ)を消滅させることができる。 六波羅蜜の一つ。 般若(ハンニヤ)。 《智慧》(2)事の道理や筋道をわきまえ, 正しく判断する心のはたらき。 事に当たって適切に判断し, 処置する能力。「~が付く」「よい~が浮かばない」「~をはたらかせる」「~を貸してくれ」
(3)〔哲〕 単なる学問的知識や頭の良さではなく, 人生経験や人格の完成を俟(マ)って初めて得られる, 人生の目的・物事の根本の相にかかわる深い知識。 叡智(エイチ)。 ソフィア。~出(イ)でて大偽(タイギ)あり〔老子「慧智出有大偽」〕人間の知恵が進むに従って素朴な心が失われ, 大きな偽りが行われるようになったということ。~が無・い工夫が足りない。~が回(マワ)・るよく気がつく。 頭の回転がはやい。~の持ち腐(グサ)れすぐれた知恵を持っていながら, 実際には活用できないこと。~は小出しにせよ知恵は一度に出し尽くしてしまわず, 少しずつ時に応じて出すのがよい。~を借・りるよい考えや方法を教えてもらう。~を絞(シボ)・る懸命に考えてよい意見を出そうとする。「ない~・って考える」
~を付・ける入れ知恵をする。 そそのかす。
Japanese explanatory dictionaries. 2013.